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必ず来る首都直下地震に備える [建築(住宅)]

アトリエ塊一級建築士事務所 

東日本大地震の影響で首都直下M7地震の発生確率が高まったことから、東大地震研究所が「4年内70%」と発表し話題になっている。ところがその直後、京大防災研究所からの発表が「5年以内28%」「30年以内64%」と発表したことで、これをどのように受け止めたら良いのか一般市民の間で混乱しているようにみえる。そこでそもそもこの発生確率とはなにか調べてみた。

 

<グーテンベルグ・リヒター則>

ある地域である期間内におこる大きな地震と小さな地震の数には相関関係があるというグーテンベルグ・リヒター則という計算方法があって、この法則によるとマグニチュードが1小さくなると地震の発生 数は8~10倍になるという。ある地域でマグニチュード1の地震が8回〜10回起こるとマグニチュード2の地震が1回起こるというような関係があるということから大きな地震の発生確率を計算する。

 

◯期間内に発生する地震のマグニチュード(M)毎の個数N(M)は 次の式で表せる。 

log10N(M)=a-bM

 

ある地域におけるある期間のデータをもとに大きな地震の発生確率を割り出すのだが、大きな地震は滅多にこないため大きな地震は長期間、小さな地震は頻繁にあるので最近だけの短期間のデータを使って計算するので、採用するデータの期間、範囲の広さの取り方によって計算結果が大きく変わる。

 

「4年内70%」は昨年3月11日から9月10日に首都圏で約350回発生したM3以上の地震をもとに計算した結果だというが、3.11地震の直後には首都直下地震の可能性を示す地震が頻発していて、地震専門家の間で非常に心配されていた事が今頃になって分かってきた。


反響の大きさに驚き、その後東大地震研究所が最新のデータをもとに再計算した結果、4年以内で50%以下、30年以内では83%以下に下がったと発表した。数字はあくまでも確率であること、また、誤差を含んでいるという事を理解し冷静に対応したいものだ。


 東京はもともとフィリピン海、太平洋、ユーラシアの3枚のプレートが交錯する場所にあり、地震が起きやすいことは周知されているが、東日本大震災を契機に地震の頻発する期間に入ったと考えられる。建築物の耐震化をすすめ、大地震で倒壊しない建物を増やす事が地震被害を減らすためにもっとも効果がある。倒壊した建物から出火した火災は消す事ができないことを肝に銘じなければならない。


 


 


 



鉄骨造5階建てビル18年目の改修計画(1) [建築(住宅)]


アトリエ塊一級建築士事務 


 

アトリエ塊が18年前に設計した鉄骨の5階建て住宅の改修を計画しています。

日本橋浜町の間口二間でうなぎの寝床のような敷地に建ついわゆるペンシルビルです。


外壁には6cm厚で60cm幅のコンクリートパネル(無塗装)が張ってあり、パネルとパネルのつなぎ目から雨が侵入しないように弾力性のあるシーリング材(シール)を詰めているのですが、10年過ぎるとシールの弾力性が失われ断裂するようになります。コンクリートパネル自体は塗装もメンテナンス不要な材料なので、今回はシールの打かえ工事を行ないます。


建物を建てると必ず定期的な手入れが必要になりますが、出来るだけ改修工事の間隔が長くするためにはメンテナンス不要な外壁材を選択すること、少ない費用でメンテナンス出来るような工法を選択することが大切です。

 


隣地との間は50cmの幅しかありませんが、ここに足場を建ててシールの打かえ工事をします。

室内には日本舞踊の稽古場があります。舞台の床に使用した桧板は解体した古家の舞台に使われていたものを再利用したものです。

 

ビルの裏側に回り地面の放射線量を計測しました。

値は0.12μSv/hでした。

 


タグ:改修 鉄骨

SUMAIセミナー『住まいづくり体験談』 ~ 住み始めてからのエコハウス ~ [建築(住宅)]

 
2012年2月8日(水)18:15~20:00 LIXIL GINZA 8Fセミナールームに於いて「sumaiセミナー」を開催します。今回は建築家の栗林賢次氏と金田正夫氏を迎え、それぞれの建主さまにも加わっていただき、建築家が設計したエコハウスの住まいづくりから住み心地までの体験談をお話いただきます。(コーディネーター アトリエ塊  林秀司)
 
以下(社)日本建築家協会ホームページより転載しました。

イベントセミナー一覧一般向け

SUMAIセミナーPart14 第4回セミナー 『住まいづくり体験談』

 

 

住宅部会では、株式会社LIXILと共催でINAX:GINZAにて
一般市民を対象としたセミナーを毎月行っています。今年度、
下半期も10月から2月まで
UMAIセミナーPART14を行います。

第4回セミナー『住まいづくり体験談』
~ 住み始めてからのエコハウス ~

エコロジーな住まいに関心があり、実際に建築家との住まいづくりを体験さ
れた建主の方と建築家に登場していただきます。
出会いから住み心地まで、生の声をお聞かせします。

講  師
栗林 賢次  (栗林賢次建築研究所) + 建主
金田 正夫   (無垢里)                + 建主 

 

コーディネーター
林 秀司    (アトリエ塊)

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日 時 :2012年2月8日(水)18:15~20:00
会 場 :LIXIL GINZA 8Fセミナールーム
東京都中央区京橋3-6-18
交通案内 :地下鉄銀座線京橋駅下車徒歩1分地下鉄有楽町線銀座一丁目駅下車
徒歩2分駐車場: なし     
参加対象者 :一般・学生及び会員(賛助会員含む)
講師 :栗林賢次(建築家 栗林賢次建築研究所)+建主
金田正夫(建築家 無垢里)+建主
コーディネーター林秀司(建築家 アトリエ塊)
参加費 :無料
定 員 :50名 定員で締め切る、事前の申込が必要
申込方法:氏名、住所、電話番号、メールアドレスを明記の上、
郵送(はがき)、ファクスでお申し込みください。

LIXIL GINZA 「SUMAIセミナー」係
〒104-0031 東京都中央区京橋3-6-18
TEL.03-5250-6560  FAX.03-5250-6519
ホームページからのお申し込み:LIXIL:GINZA 
問合せ先 :LIXIL GINZA 「SUMAIセミナー」係

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主催:(社)日本建築家協会関東甲信越支部住宅部会


住宅の基礎コンクリートの放射線量を測定した [建築(住宅)]

 
福島県二本松の鉄筋コンクリート造賃貸マンションの室内で0.9〜1.24μSv/hの放射線量が測定された。汚染された福島産の骨材(砕石)をコンクリートの材料に使用したことが原因だという。その砕石は既に数百カ所の工事現場で使われたらしい。
 
この報道に接して、現在豊島区で工事中の住宅の基礎コンクリートのことが気になり、ガイガーカウンターを持って測定してきた。基礎底盤から10cmの高さで測定した結果0.06μSV/hということでこの地域の通常の空間線量と変わらない数値で、基礎のコンクリートが汚染されていないことがわかりホッとひと安心したが、今後はコンクリート工事を行なう前にコンクリート材料の放射性物質含有の程度を確認する必要がでてきた。
 
放射線測定器:ガイガー福島 for iphone 
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次に庭石を測定したところ0.13μSv/h。周辺の地面が0.1以下なので、若干の汚染が見られるが、この程度であれば問題ないレベルと考えてよいだろう。
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鉄筋コンクリート造3階建て住宅のリノベーション [建築(住宅)]


 東京オリンピック開催の年に建てられた鉄筋コンクリート3階建て住宅を孫世代のためにリノベーション。

 約50年前といえば、戦後の復興から日本の高度経済成長につながる時期とはいえ、当時としても鉄筋コンクリート造(RC造)の住宅は珍しかったと思う。柱と梁がRC造で壁がブロックの純ラーメン構造。屋根には1mの深い庇が張り出し外壁を風雨から保護している。けしてスマートではないが、骨太で耐久性が考慮されしっかりとした造りとなっている。

 純ラーメン構造の利点は壁が構造要素になっていないので、間取りを自由に変更することができるということだ。逆にツーバイフォーや鉄筋コンクリート壁式構造など壁自体が重要な構造要素である場合は間取り変更が難しいか不可能となる。今回のケースでは純ラーメンの利点活かし、間仕切り壁を全て取り除いたスケルトン状態から新たなプランを発想することができた。

 この仕事を通じて、しっかり造り永く使うことの大切さを改めて考えさせられた。

南側テラスに面したブロックの壁を取り除きサンルームを増築
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増築したサンルームの外にはパーゴラを設置し、蔦性植物で緑のカーテンを育て遮光する
テラスにウッドデッキを設置するれば木陰で涼んだり、日光浴をすることもできる
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冬はサンルームから陽が入り暖かい。床は竹のフローリングに蜜蝋ワックス塗り
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サンルームを増築した
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造り付けのキッチンとダイニングルーム 右はサンルーム
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ステンレス製の特注キッチンカウンター
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IKEAの洗面カウンター
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2階から3階への階段室
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3階寝室
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3階寝室からの眺望
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既存部分(1階)との境目
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既存部分(1階)との境目
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快適!!ガス温水蓄熱床暖房 [建築(住宅)]

 3月とはいってもまだまだ寒い日が続いています。住宅の設計をしていると暖房方式の相談が良くあります。私がお勧めしているのは、「ガス温水蓄熱床暖房」です。床暖房の快適さは体験した人はよくわかると思いますが、エアコンやファンヒーターが空気の温度(室温)を上げることによって暖かさを感じさせる(空気暖房)に対して、床暖房の場合は床の温度を30℃程度にして、床からの輻射熱で暖かさを感じるという違いがあります。空気暖房の場合は天井付近の温度が40℃近くまであがり、床付近が20℃以下という具合で頭温足寒となり不快感の原因となります。また、温風を吹き出す風も気になります。床暖房の場合は室温18℃から20℃で十分に暖かさを感じます。床と天井でほとんど温度差が生じません。また、不快な風もないので快適なのです。

 一般的なパネル式床暖房の場合は、スイッチを切ると30分程度で床の温度が下がってしまいますが、蓄熱式の床暖房では朝3時間と夕方3時間運転すると、24時間暖房効果が続きます。運転時間はリモコンで最適な運転時間を設定することができます。また、パネル式床暖房の場合、コストやパネルの大きさの問題から、部屋の隅や廊下、玄関などパネルが入らない部分と床暖房の部分の温度差が大きく深いに感じます。温水蓄熱床暖房の場合は温水配管をコンクリートの土間床に埋設するので、玄関から廊下、台所、トイレ、洗面室、風呂の洗い場まで隅々まで入れるので、床温が均一になります。このことも快適性にとって重要なことです。気になるのが毎月のガス代ですが、一日6時間運転でおよそガス代が月約1万円というデータが出ています。設置費用は、例えば一階床面積15坪の場合で、50万円から70万円程度で設置できます。床暖房専用のガス湯沸かし器は、一定期間で交換時期が来ますが、配管は長寿命の架橋ポリエチレン製でジョイントをつくらないシームレス配管なので、故障する心配がありません。

温水蓄熱床暖房を設置した「中庭の家」

タグ:床暖房 温水
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メリットが大きい長期優良住宅と「木のいえ整備促進事業」助成制度 [建築(住宅)]

<長期優良住宅>
 長期優良住宅とは、2009年6月に施行された「長期優良住宅の普及促進に関する法律」で定められた基準に基づき認定された住宅のことです。住宅を長寿命化することによって、解体に伴う廃棄物の排出を抑制し、環境負荷を低減するとともに住宅建設費にかかる国民の負担を軽減することを目的としています。なぜ長寿命化かといえば、住宅の建て替えサイクルがイギリスは77年、アメリカは55年であるのに対し、日本では平均約30年と大変短いという事情があります。住宅を長寿命化し優良な中古住宅が手頃な価格で売買されたり、子世代に受け継がれるようになれば個人の経済的負担が軽くなり、環境負荷も軽減できるというわけです。

認定を受けるには一定の基準をクリアしなければなりません。(戸建住宅の場合)
・耐震性能 耐震等級2以上
・耐久性能(劣化対策) 劣化対策等級3相当
・維持管理・更新の容易性 設備の点検口の設置、さや管ヘッダー方式の配管
・住戸面積 75㎡以上
・省エネルギー性 省エネルギー対策等級4
・居住環境 良好な景観形成や居住環境に配慮すること
・維持保全(維持保全管理、住宅履歴情報の整備) 少なくとも10年ごとに点検をする

 上記の基準をクリアするには、費用がかかるのですが、昨年手掛けた住宅ではアトリエ塊 の一般的な仕様の住宅と比べて建設費で約2%程度の増額でした。このように高耐久性の住宅を建てるには費用もかかるのですが、メリットもたくさんあります。

長期優良住宅に認定されると、さらに100万円〜120万円の助成金がもらえる「木のいえ整備促進事業」という制度があります。年ごとの時限立法ですが、平成23年度も継続されることが決まったようです。中小規模の工務店が対象の助成制度で、平成22年度からの申請件数が一社5件以内という制限が掛かっています。ハウスメーカーのように多くの住宅を手がけている会社は対象外となります。長期優良住宅に認定されれば、助成金の申請もさほど手間がかかりません。住宅エコポイントが上限30万円なのと比べても大きなメリットがあるので、これから家を建てる方は是非検討してみるといいでしょう。

※平成22年度の「長期優良住宅+木のいえ整備促進事業助成制度」を使って新築した住宅例です。

※こちらのサイトに制度の詳しい解説があります。

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古材の柱梁を使用した小住宅 [建築(住宅)]

 建蔽率40%、容積率80%と厳しく規制された住宅地に建つ延床面積18坪の2階建て住宅です。
 建主がかねてより収集した骨董の家具や食器に囲まれた生活の器となるべき住まいとするため、構造材として古材の柱・梁や、玄関扉に古材の蔵戸、寝室の引き戸に古材のガラス入り板戸、洗面室の扉に古材の欄間を組み込みました。
 これらの古材は古民家で実際に使われていたものを再利用したものです。また、延べ床面積18坪の小さな住宅ながら引き込み障子や吹き抜け、食堂とレベルをそろえた鉄骨バルコニーなど連続性のある空間にすることでオープンで、広がりの感じられる住まいとなることをめざしました。あえて南側に庭をとらず、敷地の南北に抜ける外部空間から、すべての部屋の採光、通風をかくほできるよう建物を配置しました。
 自然採光による光が家全体に広がり、水平、垂直方向に風の通り道をつくることで、明るく風通しの良い住まいとなりました。
 これらの古材は古民家で実際に使われていたものを再利用したものです。

北側から見た外観。1階の塀に囲まれた内部は浴室に面した坪庭。
2階のバルコニーも高い手摺で囲み周囲を気にせず生活できるようにしています。
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古材蔵戸の玄関扉。
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玄関内部、古材の欄間を組込んだ洗面室の扉。
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蔵戸の千本格子から光が差し込みます。
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和室入口のガラス入り板戸
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階段と洗面室入口
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左のウオークインクローゼット扉には換気ができるように無双を組込み、
1階和室入口の古材板戸のデザインにあわせました。
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食堂からバルコニーに連続させることによって、空間に広がりが感じられるようになります。
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居間、食堂、ロフトをひとつの空間にすることで、水平垂直に光と風の道が生まれる。
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居間と床の段差なしで連続する4畳の和室。
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居間からみた和室。3枚の障子で居間との間を仕切ることができます。
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バルコニーから食堂を見る。
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